歯科医師の使命62


5月8日は栗原南中学校に歯科検診に行ってきました。
当日の対象者は130数名でしたが、歯科校医を担当し始めた25年以上前はほぼ300名近くだったことを考えますと、「少なくなったなあ。」といつもの感慨にひたりました。まして現在の栗原南中学校はかつての高清水中学校と瀬峰中学校が統合しての人数ですからなおさら思いは深いです。
さて生徒さんの数も減少していますが、今の時代は全国的にむし歯も減少の一途を辿っています。理由を挙げればたくさんありますが、栗原市でも同じ傾向にあります。元々歯を削るのは不快感と喪失感が残る治療ですから、とても救われる気持ちです。ただ歯肉炎(歯周病)については、私見ですがあまり変わっていないような気がしますので、今後の課題でしょうね。中学生のと言えば、年齢的には乳歯が全て抜けて永久歯と生え変わる年代です。生徒さんの新しい永久歯は一生削ることがないように、と祈りながら検診します。
それと昔はこのように歯で年代がわかることから、年齢、齢(よわい)の漢字には「歯」へんが使われています。漢字の基本は象形文字ですが、「歯」の旧字体は「齒」でいかにもかみ合うイメージですね。そういえばバイキンマンの歯を見るとこの旧字体をイメージしてしまうのは私だけでしょうかね。
ついでに歯に関する漢字で、「へーっ!?」と思う漢字は「齷齪(あくせく)」です。「あくせく働く」のアレです。意味は「気持ちがセカセカする。」ということですが、「齷齪」の本来の意味は歯と歯の間が狭いということらしいです。確かに歯と歯の間が狭くて余裕が無いと、むし歯や歯周病になりやすく、場合によっては歯並びを直すこともありますからね。でも今まで診療室でこの言葉を使ったことは有りません。もし患者様に「これは齷齪ですね。」なんて言ったら「私はそんな働き方してません!」と言われそうですから。